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社会福祉法人あぐりす実の会 常務理事 磯部 喜博

「大地の丘」の原点

「大地の丘」は、地域行政とJAあいち知多、ならびにJA愛知厚生連(知多厚生病院)の協力・支援をもとに「社会福祉法人あぐりす実(みのり)の会」として設立されました。 「大地の丘」の法人設立にあたり理念を作り上げていく上で、“協同組合”運動の相互扶助、助け合いの精神と、地域の人々と共に生活し、生きていくこと、“共生”を目指して、基本理念を「協生」と定めました。その基本的な理念のもと、「大地の丘」の運営理念を「その人らしさを大切に」とし、これまで歩んできました。…という風にしていると、支援員も朝から走り回って大変になってしまいます。だからこそ、一人ひとりの入居者の暮らしを知って、それに合わせた支援をすることが大切になり、入居者にとって、また支援員にとっても、常に「その人らしさを大切に」する施設でありたいと考えています。

「その人らしさを大切に」する支援を

大地の丘では、“その人らしい「普通の暮らし」を求め続けること”を援助の方針としています。福祉施設を利用されるということは、なんらかの障害や困りごとをお持ちだということです。地域に住む一人ひとりが今まで輝いて生きてきた中で、できていたことができなくなった。私たちが、そのほんの少しのできないところを支えることによって、その人らしく暮らして欲しいと考えています。そのために、暮らしの継続をどう作り上げていくのか。

特別養護老人ホーム大地の丘では、今までの暮らしを大切にするためユニットケアを行っています。1つのユニットに10人が入居し、それに対して5人前後の支援員が担当しています。支援員の配置を固定することで、入居者やご家族と顔馴染みになり、関係性を深めながら安心できる暮らしを支えています。従来型の多床室ではなく、全室個室でそれぞれの入居者のお部屋には、ご自宅で使っていた家具などを持ち込んでいただけます。

また、ご自身の家で過ごされていた時の生活を大事にしたい。起きたい時に起き、寝たい時に寝る、食べたいものを好きな時に食べる、施設に入っても今までの好みや生活習慣を大切にした暮らしが続けられるよう、一日の暮らしの詳細を記した「24時間シート」を作っています。入居してから入居者やご家族がどう暮らしていきたいかの希望や身体状況なども含め、多職種も関わって見直しをかけ、日々の支援に活かせるようにしています。

今日はもう少し寝ていたいなという日もあります。ご自身のリズムで、まだ寝ていたい人は寝ていてもらって、起きたい人から起きていただく。支援員にとっても、従来型の多床室の手法では、起きて食事して、リハビリや運動、そしておやつの時間…。1日が流れ作業のようになっていることもありました。一斉に決まった時間に10人起こして、ご飯を食べてもらって…という風にしていると、支援員も朝から走り回って大変になってしまいます。
だからこそ、一人ひとりの入居者の暮らしを知って、それに合わせた支援をすることが大切になり、入居者にとって、また支援員にとっても、常に「その人らしさを大切に」する施設でありたいと考えています。

だからこそ、一人ひとりの入居者の暮らしを知って、それに合わせた支援をすることが大切になり、入居者にとって、また支援員にとっても、常に「その人らしさを大切に」する施設でありたいと考えています。

現在、そして
これからの「大地の丘」

2020年にはJAあいち知多からの介護保険業務の事業移管を行います。大府、東浦、知多、阿久比、常滑と、知多半島の北部の事業所を加え、知多半島エリアにおいて、多様な福祉サービスの提供を進めていきます。

また、これからの超少子高齢化への対応については、平成22年には生産労働人口の減少に合わせ、介護福祉士の候補生をフィリピンから受け入れし、平成27年には名古屋市南区に「大地の丘笠寺」地域密着型の特養を開設しました。また南知多町の日間賀島には介護保険事業所がないため、週1日程度、支援しています。
「大地の丘」は、これからも知多半島圏を中心に、地域に根づいた介護保険事業の展開を進めていきます。

利用者様・ご家族の方へ

いつも、「家から移り住むところ、マンションがひと部屋できたくらいの感じをイメージしてもらえるといい」とお話しさせていただいています。本当は家で暮らすことができることが一番良いのですが、それぞれに家で暮らせないご事情があります。入居された方には、自由に暮らしていただくのが一番です。

また、支援員は“家族のような存在”ではあっても、家族ではありません。あくまで、暮らしを支援させていただく存在です。入居者様にとっては、ご家族に会えることがやはり嬉しいものです。
「大地の丘」では、ご家族との食事会や、南知多町や美浜町の地域の方も交えたイベント「夏祭り」を開催したり、一般の方も利用できるシーズンカフェや喫茶なども定期的にオープンしています。施設利用以外でも、喫茶を通して介護の悩み等の相談なども定期的に行っておりますので、お気軽にお越しください。

だからこそ、一人ひとりの入居者の暮らしを知って、それに合わせた支援をすることが大切になり、入居者にとって、また支援員にとっても、常に「その人らしさを大切に」する施設でありたいと考えています。